ゼーゲルコーンについて
1.ゼーゲルコーンって?
ゼーゲルコーンは粘土や釉薬の成分である酸化カリウムや酸化カルシウム、アルミナ及びケイ酸などを配合を少しずつ変えながら三角錐の形に固めたもので陶磁器の焼成温度を測定するために用いられます。温度だけであればパイロメーターで測定できるのですが、陶磁器の焼成は温度よりも熱量の方が重要であるために、精密な焼成条件を測定する場合は受けた熱量に対応して熔倒するゼーゲルコーンが用いられるのです。
ゼーゲルコーンには一種(高さ約6cm)と二種(高さ約3cm)があり、陶磁器の焼度を測るのは第一種です。第二種は建材の耐火度測定に用いられます。各種コーンには熔倒する温度に対応してSK番号(SKはドイツ語でゼーゲル錘を表すSeger
Kegelから来ています)がついています。各SK番号に対応する温度は以下のようになります。
第一種ゼーゲルコーン
SK番号 | 熔倒温度(℃) | SK番号 | 熔倒温度(℃) | SK番号 | 熔倒温度(℃) |
022 |
600 |
08a 07a 06a 05a 04a 03a 02a 01a 1a 2a 3a 4a 5a 6a |
940 960 980 1000 1020 1040 1060 1080 1100 1120 1140 1160 1180 1200 |
7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 |
1230 1250 1280 1300 1320 1350 1380 1410 1435 1460 1480 1500 1520 1530 |
第二種ゼーゲルコーン
SK番号 | 熔倒温度(℃) | SK番号 | 熔倒温度(℃) |
26 27 28 29 30 31 32 33 34 |
1580 1610 1630 1650 1670 1690 1710 1730 1750 |
35 36 37 38 39 40 41 42 |
1770 1790 1825 1850 1880 1920 1960 2000 |
2.ゼーゲルコーンの使い方
ゼーゲルコーンは下の図のように通常台の上に80°の傾斜で立てます。専用の台も売っていますが、粘土で十分代用できます。粘土の台は立てた後、十分に乾燥させて下さい。乾燥が不十分だと焼成中にゼーゲルコーンが途中で折れたりします。通常の陶器の焼成であればSK6a〜SK10を使います。SK番号に対応した温度はあくまでも目安で、JISでは40〜70℃/hr.(各番号により異なります)で昇温した際にコーンの先が自重軟化して接地する温度と規定されています。当然それよりも早く昇温するとSK番号より高い温度で熔倒しますし、ゆっくり昇温するとその逆になります。
例えばSK8は1250℃で熔倒することになっていますが、1200℃で倒れようが、1300℃で倒れようが8番のゼーゲルが熔倒した焼き方が「SK8」ということになります。
ゼーゲルコーンの立て方 |
熔倒したゼーゲルコーン |