窯焚き記録D
2003.04.25〜4.28
今回の窯焚きの目玉はずばり「オール赤松」。これまで燃料代の節約などもあって1200℃くらいまでは雑木や廃材を使っていたのですが、今回赤松が大量に入ったのでそれのみで焼成にすることにしたそうです。窯焚きの燃料としては王道ともいえる赤松。ビードロの深い緑は松灰特有のものといわれています。果たしてどんな素晴らしい作品が焼き上がるのでしょうか。
さすが赤松はすごい。火力が雑木とは段違いです。バチバチという音を立ててくべればくべるほど温度が面白いように上がります。焼成温度が低い昼間でも炎が煙突から立ち上ります。炎も凄いが煙も凄い。火山の噴火のようにもくもくと煙突から立ち上ります。温度が上がりすぎるので煙突を半分ふさぎ、薪を大量にくべて強還元にします。
焼成室の焚き口。通常焼成室は緋色の作品を狙うのですが、この日は焚き口を作って焼成室での灰被り作品が可能かどうかを検証しました。結果として燃焼室ほど灰は載りませんが、それなりに味のある作品がとれていました。
この日の気温は25℃の夏日、昼には窯の周りの温度が40℃近くとなり、立っているだけでふらふらになります・・・。
夜の窯。立ち上る炎が壮観です。
焼きあがった作品。個々の作品については里山窯のHPを参照して下さい。期待していたビードロもそれほど際立ったものはみられず、雑木メインの場合と比較してこれといった違いはありませんでした。
今回の焼成において赤松のみを燃料として使ったケーススタディでの知見がいくつか得られました。
結論として赤松は温度を上げるには良いが、保温性が悪く窯の温度コントロールが難しい感がありました。また、熾きが溜まり難いため、灰被りの作品が少し単調になったようです。