窯焚き記録@

2000.11.24〜26

 

11月24日:
15:00 点火。100〜600℃程度に保ち、窯内の湿気を除去。

24:00 一旦昇温を停止。

11月25日:
4:00 昇温再開。


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800℃付近の窯内の様子

9:00 桐生に到着。先にAさんが来て薪をくべてくれていた。パイロメーターの表示温度は800℃を超えている。攻め焚きの際に使う松をAさんが割ってくれる。Aさんが薪割り、私が薪をくべる役割で昇温を続ける。

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薪の山。焼成が終わるまでにこれを殆ど使い切った。



11:00 1000℃に到達、ここから5時間ほどこの温度をキープする。薪窯の煉らしは結構難しい。薪を焚き過ぎると温度が上がりすぎるし、かといって薪を突っ込まないと燠が燃え切って一気に温度が下がってしまう。燠が無くならない程度に薪を補充し、温度をキープする。

11:30 温度を1050℃に上げ、山川さんが瀬戸黒の抹茶碗4つを引き出す。発色剤として前回は釉に珪酸分の多い加茂川石を使ったが十分熔けきらなかったため、今回は鬼板を使用したとのこと。すると予想以上に熔けすぎたらしく、瀬戸黒特有の島筋が消えたと山川さんはやや不満顔。でもよく出来ていると思うけど・・・。

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山川さんの作った瀬戸黒の抹茶碗。



13:00 山川さんが鶏丼を作ってきてくれた。さすが、本職。うな丼もいいけど、これもお気に入りのメニューだったりする。

14:00 煉らしに入って4時間、雑木も手ごろな大きさのものがだんだん減ってきた。今日の雑木は細かいのが多く、手で投げ入れていてもすぐ燃えてしまう。シャベルですくって焚き口に投げ入れる。まるで機関車のようだ(笑)。

15:00 温度を1100℃まで上げる。この時間帯は疲れがピークとなるため、結構しんどかったりする(^_^;)。

18:00 ほとんど立ちっぱなしで薪をくべているため、またお腹が空いてきた(食ってばっかし・・・)。ちょうど、里山焼のメンバーの一人、Nさんがおでんを作って持ってきてくれた。有難い。


20:00 温度を1200℃まで上げる。ここで燃料を松に切り替える。ここから先は雑木ではなかなか温度が上がらないため火力の強い松を使うのだが、最大の理由は松灰を作品に被せてビードロとすること。松は脂(やに)を含んでいるため、煙突からの炎の勢いが雑木とぜんぜん違う。

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薪投入直後に煙突から出る炎

21:00 温度が1250℃で停滞する。薪窯で焚くと良く分かるが、焼き物の焼成では燃料を補充しつづけても温度が上がらないポイントがある(特に1000℃近辺と1250℃近辺)。めげずに、ひたすら薪をくべ続けると、ある時ギアチェンジするように急に上がり始める。この温度領域は珪酸の分離とかムライトの析出とかいった構造変化が起こるところなので、各種の物理化学反応に熱が消費されているのかも知れない。

23:00 温度が1300℃に到達。ここから先は煉らしに入る。ここで作品をいくつか引出し、急冷する。私の作品も一つ引き出した。急冷した作品は還元雰囲気により深いビードロが出るのが特徴。ちなみに里山窯は温度測定は窯の最も低温のポイント(焼成室床部分)で測定している。最も高温のポイント(燃焼室奥の天井部位)は1400℃を超える。短時間での超高温焼成、これが里山窯の焼成の真髄である。

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1300℃で引き出した私の蹲。左側の焦げと
右側のビードロが結構お気に入りだったりする。

11月26日

1:00 焼成完了。焚き口を粘土で塞ぐ。窯出しは5日後。焼き上がりが楽しみである。次回は施釉したものの焼成だそうだ。

焼成パターン(Excel、20Kb)

 

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